経営法務【平成26年度 第17問】
【平成26年度 第17問】
合同会社の特徴に関する記述として最も適切なものはどれか。
ア 合同会社では、会社法で規定する機関として社員総会と代表社員の設置が必
要であり、日常業務は代表社員が行い、重要な意思決定は社員総会の決議に
よる。
イ 合同会社では、定款に記載することによって、出資額が少ない社員に対する
損益分配の割合を増やすように定めることが出来る。
ウ 合同会社では、定款で業務執行社員を定めて一部の社員を業務執行から除外
することができる。逆に社員ではないが経営能力に優れた人を業務執行社員
とすることもできる。
エ 合同会社には資本金の概念がない。このため会社設立にあたって必要な設立
登記のための登録免許税を納付する必要がない。
かなり雑駁とした論点について問うています。
選択肢を検討しましょう。
アです。社員総会って会社法の規定にあったっけ? それはそうと、合同会社は機関設計はかなり自由なはずです。定款に定めることが条件で自由に設計出来たはずです。ですので、社員総会、代表社員を必須としている記述はビミョーなので、保留しましょう。
イです。先に述べたように定款で定めることで自由な設計が可能です。ですから出資額に比例しない利益分配も可能です。正しい記述かもしれません。
ウです。この肢の後段が問題です。合同会社は持分会社ですから、社員ではない(=持分を持っていない)人を業務執行社員にすることはできないはずです。だからウの肢は誤りです。ちなみに前段は正しい記述。
エは、合同会社にも資本金の概念はありますし、資本金は登記事項ですからね。それに設立時の登録免許税がなければみん合同会社にしますよね(笑) よって、本肢は不適です。
以上により、アまたはイの選択になります。
やっぱ、代表社員とか社員総会って必須じゃないよな。
ゆえに、正解は、イ である。