自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

第32話 運営管理③ 生産のプランニング

今回は生産のプランニングについてレビューしてみます。

工場はモノ作りの現場ですから、モノの流れや作業員の動線等、流れがスムーズにいかなくては効率よい生産活動が出来ません。モノやヒトがスムーズに流れるような設備や機械の配置を考えることが大事になってくるというわけです。
そこで今回はモノ(製品や原材料などの資材)の置き場や機械設備の設置などに焦点を当ててみていきます。

最初に、工場の設備配置(レイアウト)から始めます。

設備配置の基本的な分類や内容は次のとおり。

固定式レイアウト
 大型機械などの組み立て工程で行われるレイアウト。生産対象は定位置にあり、そこに生産設備や工具を運んで作業を行う。

機能別レイアウト(工程別レイアウト、ジョブショップ型)
 同じ種類の機械や設備を1ヶ所に集めて配置するレイアウト。機能(工程)を重視するレイアウト。

製品別レイアウト(フローショップ型)
 生産設備を原材料から製品までの変換過程に従って直線的に配置するレイアウト。工程順に設備を配置する、流れを重視するレイアウト。

まず固定式レイアウトだが、これは船舶や大型製品などに適用される。設計、工程の変更に対応しやすいが、作業者や機械工具の移動が多くなる。
機能別レイアウトは多種少量生産に適していて、設備の稼働率を上げやすい。製品が変わっても機械設備の配置を変更する必要がないため、加工経路が異なる場所に適している。作業者の熟練の形成が容易だが、製品の移動経路が複雑になりやすくもなる。
製品別レイアウトは少種多量生産に適している。作業が単純で機械の専用化が容易である。また、仕掛在庫が減少し、生産期間を短縮しやすい。一方で、一部の機械が故障すると、ライン全体を停止しなければならない。製品加工順序の変更に対応しにくいし、万能熟練作業者の育成が難しいという面もある。

次の話題。
ステマティックレイアウトプランニング(SLP)について。レイアウトプランニングとは、工場における構成要素の適切な配置と流れを計画することである。SLPはリチャード・ミューサーさんが提唱した工場レイアウトの汎用的なレイアウト計画法である。これはレイアウトを構成する各アクティビティを分析し、おのおののアクティビティの関連の強さによってレイアウトを合理的に設計する手法である。

まずはSLPの手順から。
 ① P-Q分析
 ② 物の流れ分析
 ③ アクティビティ相互関係図表
 ④ アクティビティ相互関係ダイヤグラム
 ⑤ スペース相互関係ダイヤグラム
 ⑥ レイアウト案の作成(複数
とまぁ、こんな手順を踏む。何を、どれだけ生産するか分析し、生産形態とレイアウトのおおよそを決めるのが①のP-Q分析だ。続けて、どのように製品を生産するかという観点から、工程経路と物が移動するときの最も効率的な順序を決定することを目的に②の物の流れ分析を行う。つまり効率的な動線を決めてみようということだ。効率的な物の流れとは、物が工程間を移動する際、迂回したり逆行したりしないように常に完成品へまっすぐに進むことを意味する。具体的な物の流れ分析の手法は後述するIEのテーマのところで触れたい。
③のアクティビティ相互関係図表は、生産にかかわるさまざまなアクティビティの相互関係、つまり、それらを互いに近接させて配置するのかあるいは離して配置するのかを検討するために使用するツールである。
ところでアクティビティとは構成要素のことだが、この場合、機械設備、倉庫、通路などといったある程度の面積を必要とするものや、出入り口や採光など面積を必要としないものがある。
さらに関連の強いアクティビティの順序や近接性を地理的な配置に置き換えるのが④のアクティビティ相互関係ダイヤグラムだ。
そして、必要な面積を見積もり、それを図に組み入れると⑤のスペース相互関係ダイヤグラムとなる。
これらをもとに、レイアウト案を作成することになる。

今回はここまで。