財務会計【平成23年度 第9問】
【平成23年度 第9問】
A社とB社の貸借対照表(要約)と損益計算書(要約)は次のとおりである。これらに基づいて下記の設問に答えよ。
(設問1)
売上高売上原価率、売上高営業利益率、総資本回転率について、A社がB社より良好な場合とB社がA社より良好な場合の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
ア 売上高売上原価率:A 売上高営業利益率:A 総資本回転率:A
イ 売上高売上原価率:A 売上高営業利益率:A 総資本回転率:B
ウ 売上高売上原価率:A 売上高営業利益率:B 総資本回転率:A
エ 売上高売上原価率:A 売上高営業利益率:B 総資本回転率:B
オ 売上高売上原価率:B 売上高営業利益率:B 総資本回転率:A
(設問2)
流動比率、当座比率、固定比率について、A社がB社より良好な場合とB社がA社より良好な場合の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
ア 流動比率:A 当座比率:A 固定比率:A
イ 流動比率:A 当座比率:A 固定比率:B
ウ 流動比率:A 当座比率:B 固定比率:A
エ 流動比率:B 当座比率:B 固定比率:A
オ 流動比率:B 当座比率:B 固定比率:B
意外と手間のかかる問題です。確実に計算していけば難なく解答は出せると思いますが、焦りは禁物ですね。
設問1から見ていきましょう。
売上高売上原価率は売上高に占める売上原価の割合です。売上高営業利益率は売上高に占める営業利益の割合です。総資本回転率は売上高が総資本の何倍かにあたるかを示します。地道にやろっかね(笑)
売上高売上原価率 A:800÷1,200=0.666・・・ B:700÷1,000=0.7
売上高売上原価率は低いほうが望ましいので良好なのはAです。
売上高営業利益率 A:120÷1,200=0.1 B:110÷1,000=0.11
売上高営業利益率は高いほうが望ましいので良好なのはBです。
総資本回転率 A:1,200÷800=1.5 B:1,000÷600=1.666・・・
総資本回転率は高いほうが望ましいので良好なのはBです。
以上により、正解は、エ である。
続いては設問2です。
流動比率、当座比率、固定比率を求めます。
流動比率=流動資産÷流動負債
当座比率=当座資産÷流動負債
固定比率=固定資産÷自己資本 でした。これも地道にやるのか。
流動比率 A:500÷300 B:400÷150 です。Bは800÷300と書き換えることが出来ますね。流動比率は高いほうが望ましいので良好なのはBです。
当座比率 A:400÷300 B:250÷150 です。流動比率同様にBは500÷300ですね。当座比率も高いほうが望ましいので良好なのはBです。
固定比率 A:300÷400=0.75 B:200÷300=0.666・・・ です。
固定比率は自己資本に占める固定資産の割合です。ですから低いほうが望ましいとされますので良好なのはBです。
以上により、正解は、オ である。
固定長期適合率同様に、固定比率も低いほうが望ましいのですね。
なお、設問1の売上高ナントカ率は「収益性分析」と呼ばれ、ナントカ回転率は「効率性分析」、設問2のナントカ率は「安全性分析」とか呼ばれます。