現在の進捗
当ブログでは一次試験対策の振り返りを行っている。現在経営法務が終了し、情報と中小を残すだけとなっている。
出社してからの早朝の時間、勤務時間終了後、土日祝日を勉強時間に充てている。
現在はスピテキを中心とした振り返りのほかに、経済学で言えば石川の経済や過去問マスターの解き直し、財務会計の解き直し、苦手(だと思っている)ファイナンス分野の専門書での学習など幅広く着手しているところだ。
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2月中にはスピテキでの振り返りを終える予定。
3月からは過去問を解いているときの雑感や感想、解法を紹介するつもりだ。
なぜ?
だって、人様に教えられるようになれば自分で理解が進んでいるとわかるから。
だから人様に教えられるような理解度がなければ一次試験は突破出来ないのではないかと思っている。
逆に、人様に教えられるようになれば自分の理解度が客観的に把握できるし、人様に納得させられないようではまだまだ自分の中の理解が薄いと判断できる。そこをベンチマークにするわけだ。
たとえば、こんな感じだ。経済学・経済政策を例にとる。
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【平成23年度 第10問】
下図は、労働市場の開放に伴う2国間の労働移動の効果を示したものである。なお、生産要素は労働と資本であり、労働移動が生じた場合でも労働者の国籍は変わらないものとする。ここでMPLは労働の限界生産物を、Wは労働1単位あたりの賃金率を表している。当初、Ⅰ国の労働量はOⅠC、Ⅱ国のそれはOⅡCであり、Ⅰ国の賃金率はWⅠ、Ⅱ国のそれはWⅡである。さらに、Ⅰ国の労働の限界生産物はMPLⅠ、Ⅱ国のそれはMPLⅡである。
この図の説明として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 賃金格差からCDの労働量がⅡ国からⅠ国に移動し、2国間の賃金は均等化
(W*Ⅰ=W*Ⅱ)する。
b 労働移動の結果、Ⅰ国では資本のレンタル所得が三角形AEW*Ⅰに減少し、
Ⅱ国では資本のレンタル所得が三角形BEW*Ⅱに増加する。
c 労働移動の結果、Ⅰ国の労働者の賃金所得が増加し、反対にⅡ国の労働者
の賃金所得が減少する。
d 労働移動の結果、世界全体で三角形EFGの所得が増加し、そのうち、三角形
EFHはⅠ国の国民所得の純増に、三角形EGHはⅡ国の国民所得の純増に等
しい。
〔解答群〕
ア a と c イ a と d ウ b と c エ b と d
ここまでが問題だ。
で、次からが解説だ。
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平成18年度第9問と同じ論点で、ヘクシャー=オリーンの定理、リプチンスキーの定理、ストルパー=サミュエルソンの定理、要素価格均等化命題について問われることになります。
平成18年度第9問と異なるところは、縦軸が賃金率になったことですね。ということは労働集約財を輸出して、労働集約財を生産するための要素価格が上昇、賃金率が上昇する。反対に資本集約財を生産するための要素価格は下落、利子率も下落といっらプロセスになるはずです。
なお、Ⅰ国は労働豊富国、Ⅱ国は資本豊富国ですね。
また、△AGWⅠ=資本所有者の所得であり、四角形GCOⅠWⅠは労働者所得を表します。さっきとは逆なところに気をつけましょう。
それでは労働移動前後の所得を比較します。
<Ⅰ国(労働豊富国)>
労働移動前は、賃金率=WⅠ、労働量=OⅠC ですから
労働者所得 → ⑤⑥
資本所有者の所得 → ①②③④
Ⅰ国全体の所得 → ①②③④⑤⑥
となりますね。
労働移動は、Ⅰ国からⅡ国です。ですから、
労働移動後は、賃金率=W*Ⅰ となるので、
労働者所得 → ②③④⑤⑥⑩
資本所有者の所得 → ①
Ⅰ国全体の所得 → ①②③④⑤⑥⑩
となり、移動前と比べると⑩の部分が増加しています。
次はⅡ国です。
<Ⅱ国(資本豊富国)>
労働移動前の賃金率=WⅡ、労働量=COⅡ ですから、
労働者所得 → ⑨⑪
資本所有者の所得 → ⑦
Ⅱ国全体の所得 → ⑦⑨⑪
です。
労働移動後は
労働者所得 → ⑪
資本所有者の所得 → ⑦⑧⑨
Ⅱ国全体の所得 → ⑦⑧⑨⑪
となり、⑧の部分が増加しました。
これらを踏まえて選択肢を検討しましょう。
a:労働量の移動量はCDです。ここは正しい記述になっていますね。でも、労働豊富国はⅠ国ですから労働移動はⅠ国からⅡ国です。ここが誤り。後段の「2国間の賃金は均等化する」というくだりは正しいですけど。
b:労働豊富国のⅠ国の労働者所得は⑤⑥です。資本のレンタル所得(資本所有者の所得)は①②③④です。労働移動後には資本のレンタル所得は①に減少しています。△AGWⅠ→△AEW*Ⅱへ減少しています。
Ⅱ国の資本のレンタル所得は⑦から⑦⑧⑨に増加しています。△BFWⅡ→△BEW*Ⅱへの増加ですね。ゆえに本肢は正しい記述です。
c:Ⅰ国の労働者賃金は⑤⑥→②③④⑤⑥⑩ですから増加しています。Ⅱ国は⑨⑪→⑪に減少しています。ゆえに正しい。
d:世界全体で増加した所得は⑧⑩の部分、すなわち△EFGです。そのうちⅠ国は⑩の部分、△EGHが増加し、Ⅱ国は⑧の部分、△EFHが増加しています。肢の「三角形EFGの所得が増加し」は正しいですが、「三角形EFHはⅠ国」ではなくⅡ国、「三角形EGHはⅡ国」ではなくⅠ国ですので誤りと分かります。
以上により、正解は、ウ である。
とまぁこんな感じ。
過去問を解いているとその書籍の解説だけでは理解不能なときがある。もっと素人にも分かりやすい解説はないものか考えていた。それなら自分で作ればいいじゃんという安易な発想が浮かび、それを実践してみる。
当然に著者もフツーのサラリーマンだし、しかもオーバーフォーティのサラリーマンだから間違いもあるだろう。そのときはご指摘いただければ・・・(汗)
それにこうやってインプットすると不思議とアタマの中に入ってくるんだよね。
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たぶん、著者が勤める会社で診断士試験を目指しているのは自分だけだし、診断士試験の話題を共通の会話に出来ないのが独学の悩みだ。
「これをさぁ、スルツキー分解するとさぁ」とかつぶやいたところで会社の同僚には「?? お前、おかしくなったか?」と言われるのがオチなわけで。