自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

経済学・経済政策【平成24年度 第18問】

【平成24年度 第18問】
 下図は、1つの生産要素のみを用いて、1つの最終生産財を生産する場合を想定したものである。この図の説明として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

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a 生産関数1の限界生産物は逓減している。
b 生産関数1は、規模に関する収穫逓増を示している。
c 生産関数2の限界生産物は逓増している。
d 他の条件が等しく、同じ生産量を実現しているとき、生産関数1を有する企
 業が生産に要する費用は、生産関数2を有する企業のそれよりも小さい。


〔解答群〕
ア a と d
イ b と c
ウ b と d
エ c と d

 

 

 

 

 

 

 

やっとスルツキー分解が終わりました。しんどかったですねぇ。
さて、本問から違う論点になります。生産関数が論点です。

生産関数とは、生産要素の投入量と生産量の関係を表す関数です。この生産関数に接線を引いたとき、接線の傾きは限界生産性を表します。生産要素の投入量を1単位増やしたとき増加する生産量です。
生産関数は、
上に盛り上がっている曲線 → 逓減 → 限界生産性は低下
直線の式 → 一定 → 限界生産性は一定
下に盛り上がっている曲線 → 逓増 → 限界生産性は上昇
を表します。

また、似たような用語に限界生産物価値という用語があります。これは生産要素の投入量を1単位増加させたときに増加する収入の増加分という意味です。

ポイントとしては、生産要素を追加的に1単位増加させたとき、
①生産量が何個増えるか → 限界生産性
②収入がいくら増えるか → 限界生産物価値
ということになります。

企業の利潤最大化条件は、
限界生産物価値と要素価格が等しくなるように生産要素投入量を決める」ことです。イメージとしては、限界収入イコール限界費用とすれば分かりやすいですかね。

さて、設問です。
本問の生産関数は上にもっこりした曲線ですから逓減パターンです。
ゆえに限界生産性は逓減しますから、この時点で b と c はソッコー削除です。
よって正解は、ア です。

ちなみに、aは限界生産物逓減は正しいし、dは同条件で同じ生産量ならば、横軸に平行な線が描けます。横軸は「生産要素の投入量」ですから生産関数2のほうが投入量は多いことがわかります。逆に言えば、生産関数1は少ない投入量で同じ数量の生産物ができますから生産に関する費用は少なくて済むことが分かります。