経営法務【平成25年度 第10問】
【平成25年度 第10問】
意匠権に関する記述として最も適切なものはどれか。
ア Aは組物の意匠として一組の飲食用ナイフ、スプーン及びフォークのセットの
意匠登録を受けた。Aの当該意匠権の効力は、ナイフのみの意匠には及ばない。
イ 意匠権の効力は、商標権の効力とは異なり、登録意匠に類似する意匠には及
ばない。
ウ 関連意匠の意匠権の存続期間は、関連意匠の意匠権の設定登録の日から20年
をもって終了する。
エ 業として登録意匠に係る物品を輸出する行為は、意匠権の侵害とはならない。
意匠権には特殊なものがあります。
部分意匠制度、組物意匠制度、関連意匠制度、秘密意匠制度があります。
個々の論点については基本的なことを整理しておきます。
では、選択肢の検討をしましょう。
アは、組物意匠ですね。これはセットで一つの意匠を形成しますから部分的には意匠権の効力は及ばないと考えます。したがって、本肢の記述は正しいと言えます。
イは、意匠権の効力は、需要者が見て類似していると思われるような意匠も保護対処運あります。ゆえに、商標権同様に類似する意匠も保護の対象になりますから、本肢は不適です。
ウは、関連意匠ですね。関連意匠を取得した場合は本意匠の設定登録の日から20年が存続期間です。この関連意匠について専用実施権を設定する場合はセットでなければなりません。また、相続、贈与、売却などの移転についてもセットで行う必要があります。バラバラじゃダメよということっす。よって本肢は不適。
エは、輸入・輸出という行為は侵害行為になりますので不適。
以上により、正解は、ア であります。