第137話 経営情報システム28 ITサービス
だんだん終わりが見えてきましたよ。もう少しですね。
今回はITサービスの続きから始めて経営情報管理の項を終わりにさせたいと思います。
1.ITサービスマネジメント
最近では、ソフトウエア開発以外にITサービスを提供するサービス業者が増加している。サーバの保守だったり、システム運用に関することだったり、多岐にわたる。こういったITサービスを外部の専門会社に委託することが増加している。
①サービスプロバイダ
インターネット上でアプリケーションのサービスを提供するASPとか、インターネットに接続するためのサービスを提供するISPとか。
②iDC事業
ホスティングサービスおよびハウジングサービスを発展させたもので、高度なセキュリティや災害耐性を備えたデータセンター内に、大量のサーバやネットワーク機器などを設置し保管する安全な場所を提供し、インターネット接続などを提供するサービスもしくは事業形態のこと。
2.ネットワークを利用したコンピューティング形態
何もハードウエアやソフトウエアに関するサービスばかりではない、という話題。
①ユーティリティコンピューティング
コンピュータの利用量に応じて従量制で支払う形態。
②グリッドコンピューティング
ネットワークを介して、多数の小型コンピュータを仮想的な高性能コンピュータとみなし、利用者が必要に応じてその計算資源を利用する形態。
③クラウドコンピューティング
仮想化技術を用いてインターネット経由でサービスを柔軟に提供する形態。
●クラウドコンピューティング → 仮想化技術、分散技術、セキュリティ技術
クラウドコンピューティングには高い信頼性が求められるため、プライベートクラウドのようなクローズドなシステムも構築されている。企業のファイアウォール内などでクラウド技術を用いることをプライベートクラウドという。
3.クラウドコンピューティングの3階層
クラウド技術を用いたサービスの提供は3つに分類できる。
①SaaS
Software as a Service の略。各種アプリケーションをサービスとして提供する。
②PaaS
Platform as a Service の略。アプリケーションを稼動させるための基盤をサービスとして提供する。
③IaaS
Infrastructure as a Service の略。サーバやCPU、ストレージなどのインフラをサービスとして提供する。
●IaaS → ハードウエアを貸し出すサービスではない
4.ITと環境問題
IT活用による環境負荷低減のハナシ。
ITを利用することで環境負荷低減を目指すだけにととまらず、IT機器そのものの環境負荷低減も目指すべきであり、IT機器製造からリサイクルに至るまで環境負荷に配慮するといった考え方をグリーンITとよぶ。
日本環境効率フォーラムは、2006年、通信情報技術(ICT)の環境効率評価ガイドラインを制定。
経済産業省は、2008年、グリーンIT推進協議会を設立。
5.その他IT用語まとめ
まずはWebコンテンツに関する用語から。
①CMS
Contents Management System の略。Webのデザイン、レイアウト、テキスト、画像などのコンテンツ情報の全てを管理し、これらを編集したり、HTML情報として表示したりするシステム。自社専用のホームページをを保有する際に用いられることが多い。
②Wiki
アクセス制限しない限りWebブラウザ上から誰でもWebサイト上のページを自由に更新したり、新しいページを作成したりすることの出来る仕組み。
③RSS
RDF(Resource Description Framework) Site Summary の略。多数のWebサイトの更新情報を統一的な手法で効率的に把握するための技術。主にサイトの更新情報を公開するのに使われている。
続いては、
④SET
Secure Electric Transaction の略。インターネット上のクレジットカード決済の標準規格。カード情報はカード会社の鍵で暗号化され、店舗ではこれを復号出来ないような仕組みになっている。
次はインターネット広告関連。
⑤リスティング広告
検索サイトで入力したキーワードに関連する広告を検索サイトの結果ページに表示する手法。広告を出したい企業はリスティング事業者に広告料を支払、キーワードを登録する。自社製品と関係する分野に関心のある人が検索するような的確なキーワードを設定することで広告効果を高めることが出来る。
⑥SEM
Search Engine Marketing の略。検索エンジンから自社ウェブサイトへの誘導者数を最大化するマーケティング活動。SEMは、検索エンジンの検索結果上位に自らのWebサイトが表示されやすくする技術であるSEO(Search Engine Optimization)により実現される。
次にリモートアクセス関連。
⑦BYOD
Bring Your Own Device の略。企業などにおいて、従業員が私物の情報端末などを利用して業務を行うこと。
⑧MDM
Mobile Device Management の略。携帯端末のシステム設定を統合的かつ効率的に管理する手法。MDMを利用することで携帯端末の遠隔操作や一元管理を実現できる。個人所有の情報機器を利用する場合、私用情報の退避を行う、特定のアプリケーションの利用を禁止する、紛失時に遠隔地から端末をロックする機能(リモートロック)やデータ消去を行う機能(リモートワイプ)を利用して情報漏えいを防ぐことなどが求められる。
ITスキル教育関連。
⑨EUC
End User Computing の略。企業経営者や業務部門などのシステムサービス利用者が主体的にコンピュータを操作し、システムの構築や運用・管理に積極的に携わること。
⑩デジタルデバイド
情報通信技術を利用できる者と出来ない者の間に生じる、待遇や貧富、機会などの格差のこと。
⑪コンピュータリテラシー
PCや携帯電話などの情報機器とその上で動く各種ソフトウエア、インターネットなどの情報技術を使いこなす能力。
●コンピュータリテラシー → 情報技術を使いこなす
⑫情報リテラシー
コンピュータリテラシーを活用して資料や知識、多くの人たちの意見やアイディアを集め、問題を処理したり正しい判断を下す能力。
●情報リテラシー → 情報技術を活用して意思決定する
⑬XBRL
eXtensible Business Reporting Language の略。各種財務報告用の情報を作成・流通・利用できるように標準化されたXMLベースの言語。
⑭バランススコアカード(BSC)
経営的な視点で情報システムの有効性を評価する方法として用いる。業績の評価は、売上や利益といった財務分析による視点に偏り勝ちであるが、これを財務、顧客、業務プロセス、学習や成長という4つの視点から評価したもの。
ここまで経営情報管理をみてきた。
これで先が見えてきました。
最近の試験では、スピテキに載っていないような内容も多く出題されるんですよねぇ。だからテキストを買いなおそうかとも思っているんです。どうしたらよいものか・・・。
続く。