自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

財務会計【平成24年度 第16問】

【平成24年度 第16問】
以下のデータに基づいて、加重平均コストを計算したとき、最も適切な数値を下記の解答群から選べ。なお、自己資本コストは配当割引モデルによって求めるものとする。

  負債の時価  5,000万円
  自己資本の時価  5,000万円
  発行済み株式数  100万株
  現在の1株あたりの配当金  5円
  配当成長率  10%
  負債の税引前コスト  4%
  実効税率  10%

 

〔解答群〕
ア 6.7%  イ 7%  ウ 11.3%  エ 11.7%

 

 

 

 

 

まずは配当割引モデルを使って自己資本コストを出さないといかんね。
配当割引モデルは、次期の配当額を期待収益率で現在価値に割り引いて株価の理論価格を決めようというもの。だから、まずは株価を求める必要があるね。
自己資本の時価=5,000万円、発行済み株式数=100万株だから、
株価=5,000万円÷100万株=50円

ここで注意したいのは与件だ。
与件に、「現在の1株あたりの配当金=5円」とある。「現在」なんすねー。

配当割引モデルでは、分子に使う値は「次期の配当額」だ。
だから次期の配当額をあらかじめ算出しておく必要があるところがいやらしい。

配当成長率=10%だから、次期の配当額=5.5円となる。
したがって、自己資本コストを r とおくと、
5.5/( r -0.1)=50 が成り立つ。
これを、 r について解くと、 r =21%となる。

よって、自己資本コストが21%と判明したので、あとはWACCを求めればよい。

WACC=(5,000×21/100+5,000×4/100)÷(5,000+5,000)
WACC=(120+1,050)÷10,000
WACC=11.7

よって、エ が正解だ。

これも計算ミスには気をつけたい。