経営法務【平成20年度 第10問】
【平成20年度 第10問】
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
画面デザインとは、家電や各種情報機器等の表示部に表示される画像デザインのことをいうが、意匠法では、( A )と密接な関係にある画面のデザインについて機器に表された状態で物品を構成する要素として保護の対象としている。具体的には、携帯電話機、デジタルカメラ、カーナビ、炊飯器、掃除機、複写機等において、( B )に用いられる画像や、その画像がなければ機器として成り立たないような画像が保護の対象となる。
しかし、意匠法は物品の( C )、模様もしくは色彩またはこれらの( D )を保護の対象としており、物品ごとに意匠が成立し、物品を離れて意匠は存在しないものである。
(設問1)
文中の空欄A~Dに入るものとして、最も不適切なものはどれか。
ア A:機器の機能 イ B:操作 ウ C:構造 エ D:結合
(設問2)
画面デザインに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 画面デザインの意匠でも部分意匠の登録出願をすることができる。
イ グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)のソフトウエアによって表示さ
れる画像は、特定の物品と結びつきがないので、画面デザインとして保護の
対象とはならない。
ウ ゲームを行っている状態の画面は、ゲーム機そのものの制御や設定を行う操
作のための画面ではないので、画面デザインとして保護の対象とはならな
い。
エ ビデオディスクプレーヤーの録画のための画面デザインを、自社のカーナビ
の目的地設定の画面デザインとして使用する場合、どちらか一方の物品で意
匠の登録をしておけば、両物品とも保護される。
平成18年の改正を受けて画面デザインの出題をしてきたのだろう。
さっそく設問1からみていく。
意匠法によれば、画面デザインは、物品の本来的な機能を発揮できる状態にする際に必要とされる操作に使用されるものが意匠の構成要素として意匠権の保護対象となるとしている。
これをふまえて、
アは、正しい。
イは、操作に用いられる画像は保護対象。
ウは、構造ではなく、形状でこれが正解。
エは、結合は正しい。
ゆえに、正解は、ウ である。
設問2。
アは、画面デザインの意匠も部分意匠登録が可能。よって正しい。
イは、アイコンは、画面デザインとして保護されない。よって正しい。
ウは、ゲーム中の画面も保護対象にはならないので正しい記述。
エは、別々に意匠登録する必要があるので不適。
以上により、正解は、エ である。