第1話 現状やっていることに説得力を持たせるには?
※本エントリは別ブログで既出の記事です。
もう5年位前であろうか。著者が勤務する会社の社外研修の一環である会社での研修に赴いたのは。そこでは施設を見学したあとで、その施設の担当者による講演を拝聴することになっていた。
さぞかし愉快痛快なことをしゃべってくれるのだろうと思ってたのだが、それは拍子抜けするほどの内容だった。気の弱い著者はため息をついた。しかしながら、一連の講釈が続く中で、拍子抜けするような内容をしゃべるのは自分たち、つまり研修を受講している我々のレベルに合わせているのではないか、と思い始めた。
そう思うとだんだんと腹が立ち始めた。
「オレたちは何も知らないと思われているじゃないか」と。
だからここで受講した内容をかたっぱしからメモってその一つひとつを詳細に調べることにしたのだ。
するとどうだろう? 今まで仕事の中でやってきことにはしっかりとした意味づけがあったことに(今さらながらに)気づいた。その一つひとつにはちゃんと名前がついていて知らないのは自分たちだけだったのだ。そうか、やはりあのときの講師役は我々が何も知らないことを前提に話をしていたのだ。完全にナメられていた、と理解した。
でも、ナメられるには理由がある。
実際、講演を聞いている中で意味不明なワードがしばしば登場した。
あ~、自分たちは本当に何も分かっていないんだ、ということを自覚する。このままではいけない。世間一般の世界ではわれわれの知らないことがたくさんある。このまま燻っていてはいけないと思った。
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ざっくり言うと、これが著者がある国家試験を受験しようと思ったきっかけだ。ある国家試験とは「中小企業診断士」だ。中小企業診断士試験は一次試験で7科目をパスする必要があり、一次試験を通過すると次は論述形式の二次試験。最後に口述試験がある。さらに口述試験を通過した後、実務研修に参加しないことには登録証をゲットすることは出来ないという試験になっている。
一次試験は7科目、と書いた。7科目とは以下のとおりだ。
①経済学・経済政策
②財務会計
③企業経営理論
④運営管理(オペレーションマネジメント)
⑤経営法務
⑦中小企業経営・中小企業政策
このように幅広い分野を学習する必要があり、当然に自分の専門業務外の内容が多い。7科目のボリュームを理解したとき、正直ぞっとした。こんなに出来るだろうか、と。しかしながら生来の天邪鬼な著者は、「この程度で怖気づくようではダメだな」と言い聞かせた。むしろ自分の専門外のことが多い分、幅も広がるし何よりも幅広い分野を体系的に学習できるというところが魅力的に思えた。
正直に言えば、財務会計なんて意味不明だった。簿記? 何それ? というレベルだし、スルツキー分解? 何なんだ? というレベル。最初から一筋縄ではいかないことは分かっていた。だから用意周到に準備する必要があると思ったのだ。
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単なる自己啓発だったかもしれない。
それでもやるからには資格をゲットしたい。難関資格であることも承知している。でも著者のようなごくごく一般的な社会人でも出来るんだということを証明したい気持ちもあったし、何よりも不確実性の高い時代にあって、今現状に甘んじているのはよろしくない。今の会社に評価されても労働市場に評価されるような人材でありたい、という気持ちが強かった。
平成25年9月、最初に手にしたテキストは「運営管理」だった。当時の職務に合致していた内容だったし、これなら今やっていることと紐付けて覚えることが出来る。一石二鳥だと思った。現状やっていることに説得力を持たせるための教本になる。
しかしながらその学習は中途半端に終わる。
当時の勤務先の社長に抜擢されて重要な職務に宛がわれたため、業務多忙が続いたのだ。尊敬できる社長からの指示だったので喜んで参画することにし、その方面の勉強に時間を費やした。
それから約一年後。
その社長が退任した。
その社長の退任が著者に猛勉強を決意させた。平成26年7月27日のことだった。
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今後、不定期で受験にまつわるストーリーをご紹介したいと思う。