財務会計【平成24年度 第20問】
【平成24年度 第20問】
次の文章を読んで下記の設問に答えよ。
企業価値の評価手法には、伝統的な企業業績評価手法であるデュポン・システムを応用したものがある。これによれば株価は、1株あたり当期純利益と( A )との積に分解され、さらに1株あたり当期純利益は1株当たり純資産とROEとの積に分解される。こうした会計数値に基づく手法のほか、今日では企業価値評価手法として、キャッシュフローに基づく手法やEVAなどを利用した( B )といった手法も利用されている。
(設問1)
文中の空欄AおよびBに入る用語の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
ア A:BPS B:資本資産評価モデル
イ A:PBR B:割引超過利益モデル
ウ A:PER B:市場株価比較方式
エ A:PER B:割引超過利益モデル
(設問2)
文中の下線部のROEを企業価値評価手法として直接使用する場合に考えられる問題点として、最も不適切なものはどれか。
ア ROEによって測定される値では、企業規模による影響を考慮した比較が困難
である。
イ ROEによって測定される値には、株主の資本コストが反映されていない。
ウ ROEによって測定される値は、企業の採用する会計処理方法によって影響を
受けることがある。
エ ROEによって測定される値は、財務レバレッジの影響を受けることがある。
設問1の( A )は分解式の問題だね。まずはこれからやっつけるか。
1株あたり当期純利益=当期純利益÷株式総数だな。掛け算して“株価”が導ければいいんだから・・・、
株価=当期純利益÷株式総数×( A ) ということだな。
ってか、1株あたり当期純利益ってEPSじゃん。株価=EPS×( A ) ってことか。
BPS=1株あたりの純資産額だし、PBR=株価÷BPSだし、PER=株価÷EPS、か。なんかPERっぽくない?
入れてみるか。
株価=EPS×PER 株価=当期純利益÷株式総数×株価÷1株あたり当期純利益
PER=株価÷EPS=株価総額÷当期純利益 だから、株価=当期純利益÷株式総数×株価総額÷当期純利益となるんで、やっぱPERが正しいな。だからウorエに絞られた。
次は( B )にはいる用語が、「市場株価比較モデル」なのか「割引超過利益モデル」なのか、だな。
そもそもEVAって? キャッシュフローに基づく手法ってことは、市場株価比較なの? うそだろ?
EVAってスピテキには載ってなかったぞい? たぶん、エが正解だろうな。
以上により、正解はエである(笑)
次は設問2だ。これって・・・?
ROE=当期純利益÷自己資本 だよね。
だからこの式からみれば、株主資本コストは反映されてないよね。
また会計処理方法が違えば、当期純利益だって、自己資本だって計算結果が異なるだろうし、
ROEは財務レバレッジの影響を受けることが知られている。つまり、答えは、ア、か。
企業価値評価は企業規模を考慮した比較のほか、資本効率を重視した比較も重要である。したがって、企業規模による影響を考慮した比較が困難であることをもって、ROEを企業価値評価手法として私用する場合の問題点とすることは適切ではない、だってさ。
よって、正解は、ア である。