自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

第122話 中小企業政策⑥ 中小機構

中小政策はいろんな法律だったり支援策が出てきます。整理して覚えることで対応は可能だし、診断士試験の特徴を知ることで狙い目もわかるようになります。
今回は“中小ものづくり高度化法”からみてみましょう。

1.中小ものづくり高度化法
 日本の製造業の強みが高度の「ものづくり基盤技術」をもつ中小企業と最終製品を提供する大企業との密接な連携にあることを踏まえ、「ものづくり基盤技術」の高度化への研究開発等を支援することにより、日本の製造業の国際競争力の強化および新たな事業の創出を図ることを目的とした法律である。

 ●ものづくり高度化法 → 国際競争力強化、新たな事業創出

<スキーム>
・国(経済産業大臣)が指針を策定
・特定研究開発等計画(研究開発計画)を作成し、国(経済産業大臣)に申請
<特定ものづくり基盤技術高度化指針>
 指針は経済産業大臣が定めている。川下製造業者のニーズを踏まえた高度化の目標、研究開発等の実施方法など。
<特定ものづくり基盤技術>
 2014年に従来の22技術から11技術に再編され、2015年に1つ追加になり、12技術となった
①情報処理、②精密加工、③製造環境、④接合・実装、⑤立体造形、⑥表面処理、⑦機械制御、⑧複合・新機能材料、⑨材料製造プロセス、⑩バイオ、⑪測定計測、⑫デザイン、の12技術。

 ●ものづくり高度化 → 基盤技術に「デザイン」が追加

<支援措置>
①戦略的基盤技術高度化支援事業
 中小企業者のものづくり基盤技術の高度化に資する研究開発から試作までの取り組みを支援する補助事業。交付元は国(経済産業局)である。
・中小企業、小規模事業者、大学、川下ユーザ企業等の共同研究体
・初年度に、1テーマあたり4,500万円以下の補助金。補助率は3分の2以内。うち、大学・公設試験研究機関等は初年度1,500万円の定額補助。
事業期間は2~3年
②融資
 日本政策金融公庫による低利融資
③信用保険法の特例として、保証限度額の別枠化
④直接金融
⑤特許料の減免

ここまでで新事業等の支援については終わります。
中小企業基本法が基本方針としている内容に、経営基盤の強化があります。そうです、「隠そう 基盤の 演歌 獣」の「基盤の」にあたる部分です。次はこの「経営基盤の強化」について、どんな支援策があるのかをみていきます。

2.中小企業支援法
 2000年4月に、それまでの中小企業指導法から改正された。中小企業支援法は中小企業診断士の根拠法でもある。
①「指導」から「支援」
 今までは、国や都道府県が上から指導するという考え方であったが、中小企業の経営資源の確保を行政が支援するという考え方に改められた。
都道府県等中小企業支援センターの設置
 民間事業者の活用を図る観点から、都道府県等中小企業支援センターの積極的活用を行うこととされた。
③連携強化
 都道府県が中小企業支援事業を計画する際には、地域中小企業支援センター、商工会、商工会議所などや民間の事業者を協力して行うこととされた。

<地域中小企業支援センター>
 創業予定者や経営革新などの課題を有する地域の中小企業者等が、さまざまな悩みを気軽に相談できる身近な支援拠点。市町村区域の商工会・商工会議所等に設置されている。
都道府県等中小企業支援センター>
 中小企業支援法に基づく指定法人で、都道府県および政令指定都市が行う中小企業支援事業の実施体制の中心である。中小企業者の経営資源の円滑な確保のためさまざまな支援を行う。

3.中小企業基盤整備機構
 中小企業者その他の事業者の事業活動に必要な助言、研修、資金の貸付、出資、助成および債務の保証、地域における施設の整備、共済制度の運営などの事業を行い、もって中小業者その他の事業者の事業活動の活性化のための基盤の整備を行う独立行政法人
主なサポート内容は以下のとおり。
①創業・ベンチャー支援
②経営支援
③人材支援
ファンド出資
⑤共済制度
 小規模共済制度や中小企業倒産防止共済制度経営セーフティ共済)を運営する。
⑥産業用地・施設
⑦よろず支援拠点の全国本部の設置
中小企業大学校の設置・運営
⑨J-Net21
⑩戦略的CIO育成支援事業における専門家を有料で派遣

4.特許制度の利用に関する施策
特許電子図書館(IPDL)による情報提供、「インターネット出願ソフト」の無償提供、早期審査・早期審理制度等が行われている。
②研究開発型中小企業に対する特許料等の軽減

5.海外展開支援
 海外で知的財産権の侵害を受けている中小企業が行う、模倣品・海賊版の製造元や卸元等の特定調査に要する経費の一部に対する補助事業補助率は3分の2以内)。
日本貿易振興機構JETRO)の海外ネットワーク等を通じ、現地侵害調査を実施することにより、実態把握や必要な証拠を収集し侵害対策を円滑に進められる情報を提供する。

6.JAPANブランド育成支援事業
 複数の中小企業が協働し、自らが持つ素材や技術等の強み・弱みを踏まえた戦略を策定し、当該戦略に基づいて行う商品の開発や海外見本市への出展等を行うプロジェクトを支援することにより、中小企業の海外販路開拓の実現を図る事業。国(経済産業局)が経費の一部を補助する。
①対象者
商工会、商工会議所、組合、NPO、中小企業等、4者以上
②支援内容
戦略策定段階への支援(定額補助)は1年限り
・ブランド確立段階への支援(補助率3分の2以内)は最大で3年間の支援
事業プロデュース支援(定額補助)

区切りがいいのでここまで。
続く。